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トラクターとコンバインの違いは?役割や構造から見た違いを解説

トラクターとコンバインは似ているように見えますが、まったく異なる役割を持っています。

トラクターは田畑を耕す機械、コンバインは収穫をする機械だと認識されているのが一般的です。しかし、それぞれの機能や特徴を詳しく知れば、農業における重要性がより明確になります。

この記事では、トラクターとコンバインの役割や構造の違い、それぞれの種類や生産台数、主要メーカーについて詳しく解説します。 

農業に携わる方はもちろん、農業に興味がある方もは、ぜひ最後までご覧ください。

役割から見るトラクターとコンバインの違い

トラクターとコンバインは、どちらも農業において欠かせない機械ですが役割は大きく異なります。トラクターは主に耕作や運搬を担当し、コンバインは収穫作業を行います。

ここでは、それぞれの機械の具体的な役割について詳しく解説します。

トラクターの役割

トラクターの主な役割は、耕うんや整地、運搬など多岐にわたります。

耕うんでは、プラウやロータリーといった作業機を取り付けて土を掘り起こし、作物の植え付けに適した状態に整えるのが役割です。

整地作業では、ハローやレベラーを使用して土壌を平らにし、種まきや田植えの準備をします。また、トレーラーを連結すれば肥料や収穫物の運搬も可能です。

播種機や施肥機を取り付けることもでき、種まきや肥料散布も行えます。加えて、除草作業や防除作業にも活用できるため、農作業の幅広いニーズに対応しているのが特徴です。

トラクターは農作業の基礎となる機械であり、汎用性の高さから『農業の主役』と呼ばれることもあります。作業効率を大幅に向上させ、農家の労働負担を軽減する役割を果たしています。

コンバインの役割

コンバインは収穫作業に特化した農業機械で、主に稲や麦、大豆などの穀物の収穫に使用されます。

名称はcombine(結合する)に由来しており、刈り取り、脱穀、選別の3つの作業を同時に行えるのが特徴です。

刈り取り部で作物を刈り取り、次に脱穀部で穀粒を茎や葉から分離します。最後に、選別部で穀粒とそれ以外のものを分け、きれいな状態の穀物だけを収集します。

コンバインはこれらの作業を1台で行えるため、収穫作業の効率が飛躍的に向上するのが魅力です。手作業や個別の機械で行う場合と比べて、作業時間の大幅な短縮と労力の削減ができます。

また、収穫時の穀物のロスを最小限に抑えられる点も大きなメリットです。これは、農家の収益向上にもつながる重要な役割を果たします。

天候に左右されやすい収穫作業のスピードアップにも貢献してくれます。

構造から見るトラクターとコンバインの違い

トラクターとコンバインは、役割の違いから構造も大きく異なります。

トラクターは、さまざまな作業機を取り付けられる汎用性の高い設計ですが、コンバインは収穫作業に特化した複雑な構造です。

ここでは、トラクターとコンバインの違いについて詳しく解説します。

トラクターの構造

トラクターの基本構造は、主に4つのパーツから成り立っています。

  • エンジン
  • トランスミッション
  • 車軸
  • 車輪

エンジンは主に前部に搭載され、動力をトランスミッションを通じて車軸に伝達するパーツです。車体の後部にはヒッチと呼ばれる連結装置があり、ここにさまざまな作業機を取り付けられます。

また、動力取り出し軸(PTO軸)も備えており、作業機に動力を伝えることが可能です。 

操縦席は車体中央か後部に位置し、ステアリングホイールや変速レバー、PTO操作レバーなどの操作系統が集約されています。

車輪は大径で、接地面積を大きくして軟弱地での走行性能を向上させています。一般的には前輪と後輪のサイズが異なる機種が多く、旋回性能と安定性を両立させているのが特徴です。

また、近年はGPSやコンピュータ制御システムを搭載した高度な機種も増えています。

コンバインの構造

コンバインの構造は、大きく分けて5つの要素から構成されています。

  • 刈取部
  • 脱穀部
  • 選別部
  • 穀粒タンク
  • 排わら処理部

刈取部は機体前方にあり、作物を刈り取るためのカッターバーとリールを備えています。

脱穀部では、刈り取った作物から穀粒を分離します。主に回転するこぎ胴と固定のこぎ歯で構成されており、摩擦や衝撃によって脱穀を行うのが特徴です。

選別部では、風力や振動を利用して穀粒とそれ以外のものを分離します。穀粒タンクは、選別された穀粒を一時的に貯蔵する場所です。

排わら処理部は、脱穀後の茎や葉を細かく裁断して圃場に散布したり、束ねて排出したりします。 操縦席は機体上部に位置し、前方の視界が確保されています。

近年は、自動運転システムや収量センサーなどの先進技術を搭載した機種も多いです。

コンバインには2つの種類がある

コンバインには、主に自脱型と普通型の2種類があります。これらは、収穫する作物や使用する環境によって使い分けられるのが一般的です。

日本の稲作では自脱型が主流ですが、大規模農業や多様な作物の収穫には普通型が適しています。それぞれの特徴を理解すれば、農業の規模や目的に合わせた適切なコンバインの選択が可能です。

ここでは、コンバインの2つの種類を詳しく解説します。

自脱型

自脱型コンバインは、日本の稲作に適した設計です。

自脱とは、脱穀と選別を自動で行うことです。主に稲や麦の収穫に使用され、日本の水田環境に適した小型・軽量な設計になっています。

メリットは、収穫した穀物の品質を高く保てる点です。刈り取った稲の穂先だけを脱穀するため、茎や葉の混入が少なく、きれいな状態で穀物を収穫できます。

また、コンパクトな設計により、狭い農道や小規模な水田でも操作しやすいのが特徴です。日本の農業環境に適しているため、国内の稲作農家に広く普及しています。

一方、自脱型は構造が複雑なため、メンテナンスにはやや手間がかかります。さらに、稲や麦以外の作物の収穫には適していません。

普通型

普通型コンバインは、大規模農業や多様な作物の収穫に適した設計となります。

自脱型と比べて大型で、広い面積を効率的に収穫できるのが特徴です。主に麦、大豆、トウモロコシなどの収穫に使用されます。

メリットは、汎用性の高さです。刈取部を交換すれば、さまざまな作物の収穫に対応できるため、複数の作物を栽培する大規模農家や農業法人などで重宝されています。 

また、構造がシンプルなため自脱型と比べてメンテナンスが容易です。耐久性も高く、長期間の使用に耐えられます。

大型のため、広大な農地での作業効率が高いのも特徴です。ただし、狭い農道や小規模な水田での使用には適していません。

稲の収穫では自脱型のような品質を保ちにくいため、日本の稲作では普及率が低くなっています。

生産台数の違い

日本農業機械工業会が公開している「2023年日農工統計」の確定値によると、トラクターの生産台数は113,847台、コンバインは11,929台です。

この数字をみると、トラクターのほうがコンバインよりも圧倒的に生産台数が多いことが分かります。

ただし、両機種ともに前年と比べると減少傾向です。トラクターのほうが減少率が大きくなっているものの、国内向けに限ってみるとトラクターは前年比105.4%で増加しています。

この生産台数の違いには、いくつかの要因が考えられます。

トラクターは多目的に使用できる汎用性の高さから、より多くの農家から必要とされますが、コンバインは主に収穫時期にのみ使用されるため需要が限定的です。

また、農家の減少や車両の品質向上も、生産台数に影響を与えています。高性能な機械の登場により耐用年数が延びたため、新規購入の頻度が下がっているのが原因です。

コンバインは自脱型が生産台数の大半を占めていますが、これは日本の農業環境に適した自脱型が広く普及している現れです。

トラクターとコンバインの主要メーカー

日本の農業機械市場では、ヤンマー、イセキ、クボタ、三菱マヒンドラ農機といった主要メーカーが高いシェアを占めています。

これらのメーカーは、長年の技術開発と品質向上により、農家から高い信頼を得ています。

ここでは、トラクターとコンバインの主要メーカーを解説します。各メーカーの特徴や強みを理解し、機種選びの参考にしてみてください。

ヤンマー

ヤンマーは、日本を代表する農業機械メーカーです。

1912年に創業し、ディーゼルエンジンの開発で世界的に知られるようになりました。農業機械分野ではトラクターやコンバインをはじめ、田植機や管理機など幅広い製品を展開しています。

強みは高い技術力と革新性です。環境に配慮した低燃費エンジンの開発や、ICT(情報通信技術)を活用したスマート農業への取り組みが注目されています。

トラクターでは、小型から大型まで幅広いラインナップを揃えており、さまざまな農業形態に対応しています。

コンバインも高性能な自脱型を中心に、効率的な収穫作業を支援する製品を提供しているのが特徴です。

ヤンマーの製品は信頼性と耐久性が高く評価されており、多くの農家から支持を得ています。また、全国に広がるサービスネットワークも、ユーザーから高い評価を受けています。

イセキ

イセキは、1926年に創業した老舗の農業機械メーカーです。

創業当初から農業機械の開発・製造に特化し、日本の農業の機械化に大きく貢献してきました。特に、世界初の自脱型コンバインを開発したことで有名です。

強みは、日本の農業環境に適した機械の開発力です。狭い農地や複雑な地形など、日本特有の条件に合わせた製品設計を得意としています。

トラクターでは、小型から中型まで幅広いラインナップを展開しています。なかでも、中山間地域向けの小回りの利く小型トラクターが評価されています。

コンバインでは自社開発の自脱型コンバインを中心に、高品質な収穫を実現する製品が多いです。

また、イセキの製品は操作性の良さと信頼性の高さが特徴です。農家の声を積極的に製品開発に取り入れる姿勢も、多くのユーザーから支持されています。

近年は、省力化や効率化を追求したスマート農業機械の開発にも力を入れています。

クボタ

クボタは、1890年に創業した総合機械メーカーです。

農業機械分野では、国内トップシェアを誇ります。トラクターやコンバインをはじめ、田植機や耕うん機など、幅広い農業機械を製造しています。

強みは、高い技術力と豊富な製品ラインナップです。小規模農家から大規模農業法人まで、さまざまなニーズに対応できる製品を揃えています。

特に、中型・大型トラクターの分野では高い評価を得ています。

トラクターでは小型から大型まで幅広い機種を展開し、さまざまな作業に対応できる汎用性の高さが特徴です。コンバインも高性能な自脱型を中心に、効率的な収穫作業を支援する製品を提供しています。 

また、海外展開にも積極的で、グローバル市場でも高いシェアを誇っている点が魅力です。近年は、AIやIoTを活用したスマート農業技術の開発にも注力しています。

三菱マヒンドラ農機

三菱マヒンドラ農機は、三菱農機とインドのマヒンドラ&マヒンドラ社が合弁して設立された企業です。

日本の農業機械技術とインドの製造ノウハウを融合させ、高品質かつコストパフォーマンスの高い製品を提供しています。

強みは、日本の農業環境に適した製品開発と、グローバルな視点を併せ持っている点です。特に、中小規模農家向けの製品ラインナップが充実しています。

トラクターは小型から中型まで幅広い機種を展開しており、水田作業に適した製品が評価されています。コンバインも高性能な自脱型を中心に、効率的な収穫作業を支援する製品があります。

三菱マヒンドラ農機の製品は、操作性の良さと耐久性の高さが特徴です。また、グローバルな部品調達網を活かしたコスト競争力も強みといえるでしょう。

近年は、環境に配慮した低燃費エンジンの開発にも力を入れています。

まとめ

トラクターとコンバインは農業に欠かせないマシンです。

トラクターは多目的に使用され、コンバインは収穫に特化しています。用途をしっかりと理解し、自身の農地に合わせたマシンを選択しましょう。

トラクターとコンバインは、どちらもさまざまなメーカーが製品を展開しています。AIやloTなどの最先端技術が搭載された農機具を使用すれば、人材不足の解消や軽労化を期待できるでしょう。

農業機械の選定にお困りの方は、株式会社サンセレクトジャパンにお問い合わせください。

当社では豊富な中古農機具の在庫を抱えており、専門知識を持つスタッフが最適なマシン選びをサポートいたします。適切なマシンを選び、農業の効率化と生産性向上につなげましょう。

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