目次
フォークリフトは、物流や建設現場、港湾など、あらゆる場で荷物の運搬を行うために活用されている機械です。
カウンターフォークリフトは、フォークリフトの一種です。
ハンドルを操作して作業できる着座式のフォークリフトで、車と同じ操作方法で運転でき、安定度が高い特徴があります。
カウンターフォークリフトにはさまざまな種類があるため、それぞれの違いを把握し、使用環境や作業内容に適したものを選びましょう。
この記事では、カウンターフォークリフトの特徴や種類、操作時の注意点を紹介します。
カウンターフォークリフトとは

カウンターフォークリフトは、フォークリフトの一種です。ここでは、カウンターフォークリフトの特徴について詳しく解説します。
フォークリフトの一種
カウンターフォークリフトは、着座式でハンドルを操作しながら作業するタイプのフォークリフトです。
正式名称は「カウンターバランスフォークリフト」で、1920年代にアメリカで開発された後、1930年代に日本に上陸しました。
カウンターは反対を意味する言葉で、後部に重心を置いてバランスを取っています。
後部に重心があるため、前方のツメに重たい荷物を載せても車体が前に傾かず、安定して荷物を運ぶことが可能です。
人の手では持ち上げることができない荷物を簡単に持ち上げる、大量の荷物を移動させることができます。
フォークを昇降させることにより、高いところに荷物を載せることも可能です。
運転に必要な資格
カウンターフォークリフトを運転するためには、国家資格であるフォークリフト運転技能講習を受講して修了証を受け取る必要があります。
フォークリフト運転技能講習を受講すると、最大積載量や機種の制限なく、カウンターフォークリフトの運転が可能です。
受験資格は満18歳以上であることが条件で、講習や取得の難易度はそこまで高くありません。
ただし、公道を走行する際は、大型特殊自動車免許などの運転免許が必要になるため注意しましょう。
最大積載量が1トン未満のカウンターフォークリフトであれば、特別教育の講習を受けて「特別教育修了証」を取得することで運転できます。
動力
カウンターフォークリフトの動力は、内燃機関式(エンジン式)と蓄電池式(バッテリー式)です。
内燃機関式はガソリンやディーゼルなどを燃料として動くフォークリフトで、LPガスを使ったタイプもあります。
高い馬力や走行速度に優れているメリットがある一方、排気ガスが出ることや、車体重量が大きいなどがデメリットです。
蓄電池式はバッテリーに備えた電力を動力源とするフォークリフトで、小型のタイプに多く用いられています。
小回りが利くことや排気ガスが出にくいことがメリットですが、内燃機関式に比べると馬力が弱く重たい荷物の運搬には向いておらず、連続稼働ができないデメリットもあります。
排気ガスを出すことのできない加工場や倉庫で使用する場合は、蓄電池式が用いられるのが一般的です。
操作方法
カウンターフォークリフトの操作方法は以下の通りです。
- 運転席の左側から乗り込む
- 運転席に座ってシートベルトを締める
- エンジンをかける
- リフトレバーを操作してツメを床から5cm程度持ち上げる
- チルトレバーを引いてマストを後ろに傾ける
- ハンドル操作を左手で行う
- 右手は右足の上に軽く置く
- 前進時は前進レバー、後退時は後進レバーを使う
- 停止時はブレーキペダルを踏む
カウンターフォークリフトは後輪で方向を変えるため、乗用車とは操作感覚が異なる点に注意が必要です。
荷物を運ぶ際はバックで走行するため、後方を確認しながら低速での移動が基本となります。
スピードよりも安全性や正確性が求められるため、急ブレーキや急発進など、急な操作は避けてください。
リーチ式との違い
重い荷物を屋内外で運べるカウンターフォークリフトに対し、リーチ式は狭いスペースで小回りが利く屋内専用のフォークリフトという違いがあります。
リーチ式フォークリフトはオペレーターが立ったまま操作するフォークリフトで、車体を動かさずにマストやツメを前後に伸縮できるのが特徴です。
前後のタイヤ間が短いため90度近くまで回り、小回りが利いて狭い場所でも使えます。また、リーチ式の多くがバッテリー駆動であり、排気ガスの排出がありません。
カウンターフォークリフトのように、前後の重量のバランスを保って荷物を持ち上げるのではなく、ストラドルアームと呼ばれる前に伸びた足で踏ん張って釣り合いを取ります。
そのため、車両重量もカウンターフォークリフトに比べると軽く、荷重制限のある現場でも使用できます。
カウンターフォークリフトの特徴

カウンターフォークリフトは安定度が高く車と操作方法が似ている一方、小回りが利きにくいデメリットもあります。
ここでは、カウンターフォークリフトの特徴を解説します。
安定度が高い
カウンターフォークリフトは安定度が高く、転倒リスクが低いことや荷物のバランスがとりやすいメリットがあります。
安定度が高い理由は、車体後部に重心があり、重量のある荷物を積載しても前のめりになりにくい設計になっているためです。
安定度が高いことによって、起伏の多い場所や砂利の上でも安全に操作ができ、屋内外を問わず幅広いシーンで活用できます。
車と操作方法がほとんど同じ
カウンターフォークリフトは車と操作方法がほとんど同じであるため、車の運転経験がある人でも容易に操作しやすいメリットがあります。
具体的には、座って運転することや、足のペダルでアクセル・ブレーキ操作を行うこと、ハンドルによる方向転換などです。
ただし、タイヤの内輪差や外輪差の動きが車と異なる点には注意が必要となります。
また、車と操作方法が似ているため、操作感覚の違いによるトラブルや事故のリスクがあります。操作感覚の違いに慣れるためにも、事前に慣らし運転をしましょう。
小回りが利きにくい
カウンターフォークリフトのデメリットとして、小回りが利かないことです。
小回りが利かない理由は、安定性を重視しているため車体が大きく、後輪で舵を取るため旋回時に車体の外側を大きく回ることが挙げられます。
小回りが効かないため、 狭い場所での移動が難しく、方向転換に広いスペースが必要となります。
そのため、カウンターフォークリフトは広いスペースでの作業を前提にするか、必要に応じて他のフォークリフトと併用することがポイントです。
カウンターフォークリフトの種類

カウンターフォークリフトには、さまざまな種類があります。ここでは、カウンターフォークリフトの種類と特徴を解説します。
ラフテレーンフォークリフト
ラフテレーンフォークリフトは、荒れた地面や軟弱な不整地で使用されるように設計されたカウンターフォークリフトです。
頑丈な車体とシャーシなどが特徴で、過酷な環境に耐える作りになっています。大型のオフロードタイヤを装備し、高いグリップ力や優れた衝撃吸収性があります。
カウンターバランスコンテナハンドラー
カウンターバランスコンテナハンドラーは、スプレッダを装備したカウンターフォークリフトです。
スプレッダはコンテナを吊り上げるための専用装置で、重たいコンテナを効率よく持ち上げられるように設計されています。
数トンから数十トン級の大型コンテナを取り扱うことができ、港湾やコンテナターミナル、出荷ヤードなどで使用されることが多いです。
三輪カウンターフォークリフト
三輪カウンターフォークリフトとは、前輪が2輪、1輪の配置で設計されているカウンターフォークリフトです。
三方フォークリフトとも呼ばれ、360度自由自在に方向転換できるメリットがあります。
狭い通路や場所での移動がしやすく、横方向への移動もスムーズです。小回りが効き高速作業が可能で、作業時間の短縮にもつながります。
一方、他のカウンターフォークリフトに比べると高価でスペアパーツのコストが高いため、ランニングコストが高くなりやすい点に注意が必要です。
四輪カウンターフォークリフト
四輪カウンターフォークリフトは、前輪2輪と後輪2輪で構成されているカウンターフォークリフトです。
安定性が非常に高く、荷物の持ち上げや運搬中もバランスを崩しにくく、起伏の多い場所でも安全に作業できるメリットがあります。
最大荷重が比較的大きく、高い持ち上げ能力があることも特徴です。
一方、三輪タイプに比べると小回りが利きにくく、狭いスペースでの作業には適さないというデメリットもあります。
カウンターフォークリフト操作時の注意点

カウンターフォークリフトを操作する際、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。ここでは、カウンターフォークリフトを操作する際の注意点を解説します。
広い場所で作業する
カウンターフォークリフトは旋回すると後部が大きく振れてしまうため、広い場所で作業するのが基本です。
車体が大きいため狭い場所だと接触事故の可能性が高く、小回りが利かないことで効率よく作業を進めることも難しくなります。
車体が周囲の人や物、設備にぶつからないように、周囲の安全確認をしっかり行いましょう。
広い場所で作業を行う際は、屋外であれば蓄電池式をおすすめします。その理由は、バッテリータイプに比べると稼働時間が長く、効率よく作業を進められるためです。
狭い場所での作業は、三輪カウンターフォークリフトやリーチ式フォークリフトが向いています。
周囲の荷物や運んでいる荷物に注意する
カウンターフォークリフトの操作時に気をつけることは、周囲の荷物や運んでいる荷物に気を配ることです。
フォークリフトの事故では荷物の破損が多く、荷物を運んでいる際に落としたり、倉庫内に積んでいる荷物にぶつけて壊したりするケースがあります。
このような事故やトラブルを防ぐためには、低速で慎重に走行することや死角に気をつける必要があります。
また、フォークリフトで人にぶつかってしまった場合、車での人身事故と同じ扱いになるため注意が必要です。荷物の物陰や曲がり角、建物の出入口に人がいないかを確認しましょう。
荷物を積む際にも積載荷重を必ず守り、荷物が転倒しないように安定して積載するなどの事前対応も大切です。
安全な服装で操作する
カウンターフォークリフトを操作する際は、事故やトラブルを防ぐために安全な服装でなければなりません。
万が一に備えて、検定取得しているヘルメットを被り、あごひもは緩まないようにしっかりと締めます。
髪の毛が長い場合は、ひとつに束ねて操作の邪魔にならないように注意しましょう。
靴は、自分に合ったサイズの安全靴を履きます。安全靴を履くことにより、操作時におけるペダルの踏み外しを防いだり、重い荷物が足に落ちてきた場合でも危険回避が可能です。
また、作業服はカウンターフォークリフトを操作する際にレバーに引っかからないデザインのものを選びましょう。
安全な服装は単なるルールではなく、作業する人の命を守るためにも重要な対策です。
まとめ
この記事では、カウンターフォークリフトの種類や操作方法、リーチ式との違いを解説しました。
カウンターフォークリフトは車体後部に重心があって安定性に優れ、車のように座って操作できるという特徴があります。
屋内外で幅広く利用可能であり、工場や倉庫、物流センターなど、さまざまな場所で活躍します。
カウンターフォークリフトを適切に使用することで、作業効率を大幅に向上させることが可能です。作業の効率化を図るために、カウンターフォークリフトを活用するのもよいでしょう。
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